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志賀直哉を読んで思い出すこと

読書の秋故、音楽の話題から逸れることが多いですがご容赦を。

今日注文した志賀直哉全集(昭和48年版)が届きました。全巻揃いでこのきれいさに5,000円は超お買い得だった、と密かにほくそ笑んでおります。

早速第1巻の短編集を100ページほど読み進みました。
菜の花と小娘
或る朝
網走まで
速夫の妹
荒絹
孤児
子供四題
までです。

作品のどれも、彼らしく文章が研ぎ澄まされていて、読んでいて爽快な感じさえします。

ところで、読みながら感じるのは、やはり昔懐かしい思い出が蘇ってくることです。ちょうど明治時代の最初期の作品を収めていて、その時代はもちろん知らないのですが、自分が小さかった頃の生活の中にまだまだ残っていたものがそこここに散りばめられています。

その一つが切符切り。

私は東京都豊島区の生まれで、最寄りの駅は西武池袋線の東長崎という駅でした(今も実家はそこにあります)。母の実家が栃木で、初孫として祖父、祖母が大変可愛がってくれたこともあり、よく小さい頃から一人で遊びに行きました。だから鉄道のことは普通以上に興味があったのです。このため、志賀直哉のこの数編を読んだだけでも、「網走まで」や「子供四題」の「軽便鉄道」など、鉄道が主要な舞台となっていることを発見し、親近感を感じるのです。さすがにこの時代、乗るのは蒸気機関車、網走までは乗り継いで一週間かかって辿り着くといった案配ですが、読んでいて私の子供時代と重なる懐かしい音も聞こえてきました。それが東長崎駅で聞いた切符切り鋏の音です。

今はすっかり自動改札機をSUICAでピッ(時折バタッ)というのが改札の音として定着しましたが、当時は切符切りの駅員さんが立っていて、せわしなく、改札を通る人がいようといまいとカチカチカチカチと鋏を打ち鳴らして、切符を受け取ってはカチッと鋏を入れていたものですよね。朝の通勤時などは、通り過ぎる定期を目で確認しながら、時折差し出される切符を受け取り鋏を入れて返す、この動作をなんと手際よくこなしていたことでしょう。春夏秋冬朝から晩まで、子供心に、ぜひあの駅員さんみたいにやってみたいものだ、と思ったものです。そうです、あの鋏の音は、私の子供の頃に耳に残った大切な音なのです。

その他にも、随所に昔を偲ばせるものに懐かしさを感じて興に乗るのは、私がやはりそういう年齢に達したからでしょうか…

こうした日本文学回帰マイブームが、今年の秋の一過性のものなのか、それともさらに続くのかは、この「遠い音楽」を読み続けていただければわかります。さすがに全集は本が大きく重いので、通勤途中で読むわけにはいきませんから、その間はやはり文庫本を持ち歩いたりするでしょう。すると、世の中のブームにあやかって「カラマーゾフの兄弟」なども読んで見たいという欲も密かに抱いていたりしてみたり。

さてさて、どうなりますことやら…
2007年09月17日 | Comments(2) | Trackback(0) | 遠い音楽日記
コメント
>ciapoohさん

読書好きのciapoohさんですから、きっと興味深い世界が広がっていると思いますよ。やっぱり日本人、読んでおいて損はないです。

志賀直哉を読んでいて、今は無くなったなぁ、と感じた鉄道関係の風景もう一つ。当時は列車に長距離、長時間乗るので、乳飲み子を抱えたお母さんは列車の中で普通に母乳をあげているシーン。今みたいにほ乳瓶も無かったのでしょうね。今ではなかなか勇気のいる行為になってしまいました。
ウォーゼル URL 2007年09月17日 23:45:34 編集
恥ずかしながら、この種の純文学は避けて通って来ました。
情緒あふれる日本を味わう本の世界の旅、体験してみようと思います。
幼い子が電車の一人旅、古き(いささか
失礼ですが)良き時代でしたね。

 
ciapooh URL 2007年09月17日 21:34:43 編集

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