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A面とB面の「間」

仕事の関係で、247ミュージックの丸山茂雄さんに昨年とあるシンポジウムで光栄にもご挨拶させていただき(以前から遠くで見ていたり表参道の横断歩道ですれ違ったりしていましたが)、改めて丸山さんのブログをみて、あぁ、なるほどな、と思った記事がありました。もう大分以前のものになるのですが、トラックバックを送りつつ、私も賛成意見を書いてみたいと思います。

それは、「昔あった」30cmLPのA面とB面に関することです。

私もLP世代。高校生だった私は、池袋の立教大学の近くに今もある八勝堂書店のレコード部門に足しげく通っていました。その頃音楽に関して最も大きな影響を与えられた友人がその近くに家があったこともあって、学校帰りにはほぼ毎日寄っていた気がします。そこでそれほど多いわけではない中古レコードを端から端まで見てみては、新しい発見があると買おうか買うまいか悩んだものでした。

先ほどの友人の家にもよく行きました。そこでムーディ・ブルースやエレクトリック・ライト・オーケストラ等、ビートルズ以外の、特にイギリス系のロックの曲を聴かせてもらったものです。

彼等のアルバムはコンセプトアルバムでしたから、LPを聴き始めると、決まってA面、B面と両面を順に聴いたものですが、その面と面の間には、必ずターンテーブルから針が上がって、表裏を裏返す、という作業がありました。

このときにある「間」が、丸山さんのブログでも書かれているように、とても大事だったのかもしれない、ということです。

この間にお手洗いに行ったり、他の用を済ませたり、A面の感想を述べ合ったり、少し音楽から離れることで、再びB面への集中力が養われ、準備ができたところでB面の世界へと入って行く。こうして音楽は聴いていました。

ですので、レコードを製作する側もそれぞれの面への曲の配置とか、どの曲で始まり、どの曲で終わるか、というコンセプト性は、一般に言う「コンセプト・アルバム」でなくてもあったのだと思います。

ところが時代は変わりCDになると、

A面、B面の概念はなくなり、それまで分かれていたものが連続するようになり、当時のLPが再発されると休む間もなくおよそ40分、音楽が続くようになりました。さらにはもっと収録できることを生かして、60分、70分の音楽が詰め込まれるようになったわけです。

ポジティブに考えれば、LP2枚組が1枚に収録できる、裏返す手間がない、アーティストが伝えたいだけの音を入れられる、などとも言えるでしょう。

ですが、ふと当時を思い起こしたとき、やはりせいぜい23分ぐらいだった「片面」の時間というのは、そこに収録された5曲ほどの音楽を聴くのに最適だったのではないかと思うのです。ビートルズなどはわずか片面15分ほどに7曲も収録されていましたが、それでも(超)大ヒットしたわけですし、1曲1曲の印象はものすごく強く残りました。

それが今は、あまりにも手軽になってしまったがために、当時のLP時代、「擦り切れるほど聴いたアルバム」以上にCDで最初に接したものでそこまで聴いたものは私にはまだないように思います。そう思うとLPの収録時間、そしてA面とB面との間に必然的に設けられていた「間」というものが、私たちに与えてくれていたものとは、音楽への集中力と、より身近な大事なものとして感じさせてくれる何かであったのかも、とすら思えます。

さらにシングル盤というのもありましたね。これは表裏それぞれ1曲ですから、1曲聴いたら裏返す。というか裏返さずアーティスト渾身のA面の1曲を都度音楽を聴いている席からレコードプレーヤーまで行って改めて針を下ろして繰り返し聴く。そうすることで1曲への集中と愛着が高まってヒットへつながったのだとさえ思えます。

みなさんはこのことについてどう思われるでしょうか。いまやLPを聴いたことも見たこともない世代が増えるなか、こうした「間」が復活することはないのでしょうか。

このことで私は、敢えてiPod用のプレイリストをA面、B面と分けて作ってみようかと思うようになりました。必ずA面を聴き終えたら「間」があること。そしてちゃんとiPodと向かい合ってB面を選択し、B面の1曲目が始まる…いつも便利さばかりを優先させるのではなく、余裕を持ってみよう、これでもしかしたら少しでも当時持っていた音楽との距離を回復できるかもしれない、などと思いつつ…
2007年01月20日 | Comments(2) | Trackback(0) | 遠い音楽日記
コメント
そうですね。このことは人にこうしなさい、こうした方がいいですよ、というのではなく、まず自分が当時の思い出に浸りつつ、その「間」を取り戻せるのかどうか試してみる、というものだと思っています。

またいつかその結果をご報告しますね。コメントありがとうございました。
ウォーゼル URL 2007年01月21日 21:19:10 編集
「間」の復活は,とても難しいことのように思います。
LPを知らない世代は,「間」そのものを知らないわけですから。
これは音楽に限ったことではない,重いテーマですね。
利便性を追求するあまり,心まで失わないようにと 改めて自戒することしきりです。
ciapooh URL 2007年01月20日 23:58:51 編集

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