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上野洋子さんアルバムレビュー~「SSS~Simply Sing Songs」



この秋、上野洋子さんのライブが目白押しで、うれしい悲鳴をあげているからか、久しぶりに洋子さんのアルバムレビューを書いてみたくなりました。ライブ情報などいろいろ取り上げている割にはアルバムレビューが少なかったので、今回「SSS~Simply Sing Songs」にチャレンジ。

で、あらためてクレジットを見ていてびっくりしたのが、次の一文。

Mastered by Seigen Ono at Saidera mastering

!!!ええええええ!!!

そうだったんですね。私がお邪魔したSeigenさんのあのスタジオにもしかして上野さんもいらっしゃっていた・・・!?全然気がついていませんでした(結びついてもいませんでした)。今度Seigenさんにそのときの様子を伺ってみようと思います。

さてさて気を落ち着け、では1曲づつ聴いていきましょう。

01.The Blacksmith
ほとんどアカペラと言ってもいいような曲で静かに幕を開けます。出だしはなにやらプログレッシブロック風の妖しげな雰囲気。静かに、囁くように、時折ヴォーカルの多重録音を織り交ぜながら淡々と歌い聞かせてくれます。Blacksmithとは蹄鉄工のことで、イギリスの民謡のようです。

02.My Lagan Love
ドブロのようなアコースティックギターを伴奏に、こちらも淡々と歌われるアイルランド民謡です。日本語では「ラガン河の恋人」と呼ばれているようで、2005年4月20日、吉祥寺STAR PINE'S CAFEで行われたライブ「MEMORY OF 佐藤一憲~HANIWAとTHE 家元、そしてその仲間たち」では洋子さんがノブさんのディジュリドゥ(オーストラリアの民族楽器。もうご存知ですよね?)をバックに披露された曲です。

03.水
マーシュ・マロウでこの間まで一緒だった覚和歌子さん(千と千尋の神隠しで有名です)の詞に洋子さんが曲をつけたものです。私が死んだら水に流してほしい、そうすれば雲、霧、雨、雪、霜、露になる、というとてもリリカルで美しい内容、そしてメロディも、ZABADAKのアルバム「桜」の頃の洋子さんに通じるような静謐な優しさを湛えて素晴らしいです。ラストで流れる太田恵資さんのヴァイオリンも曲を盛り上げてくれています。

04.Paddy's Green Shamrock Shore
一聴すると洋子さんのセカンドソロアルバム「Puzzle」に収録されている曲かとも思うような、またファーストアルバムにも通じるヴォーカルの多重録音が効果的に使われている印象深い曲です。アメリカへ移民するアイルランド人の歌で、パディーはアイルランド人の俗称、グリーンはアイルランドの色、そしてシャムロックはアイルランドの国花であるツメクサのことだそうです。

05.Will Ye Go, Lassie, go?
物悲しげなバンジョーの音をバックに、ムーンライダーズの鈴木慶一さんと洋子さんがデュエットを聴かせてくれます。ポップでコミカルなスコットランド民謡です。

06.Black Is The Color
こちらはアイルランド民謡。ニーナ・シモンの歌でも知られている有名な歌で、マンドリンを主体にした演奏をバックに上野さんがソロで歌います。

07.Still I Love Him
洋子さんのToy Pianoがかわいらしい音を奏でる小曲です。洋子さんらしいNursery rhyme(伝承童謡)風の素敵な曲です。

08.Seven Swan Songs
このアルバム2曲目のオリジナル曲です。作詞は鈴木慶一さん。この曲も「桜」の頃、得に珍しく洋子さんが作詞・作曲を手がけられた「歩きたくなる径」を思い出させます。そして、この曲にも不思議なことに「私がもし死んだら」というフレーズが出てきます。こちらでは「私」は土になって何も残らなくなるのですが、このアルバム全体を通してのやや暗いトーンは、こうした詞の内容が重なっているからかもしれません。演奏もあくまでも目立たず、そっと洋子さんの歌を支えるように寄り添っています。

09.The Raggle Taggle Gypsies~As I Roved Out~The Spanish Lady~The Wild Rover
アイルランド民謡を中心としたアルバムらしくメドレーの登場です。まずはバックの演奏を最小限にとどめ、洋子さんのヴォーカルを前面に出し、後半に行くに従い曲は明るくなっていきます。それでも冒頭の曲では洋子さんのアコーディオンがたっぷり聴けますし、The Spanish Ladyのジプシーヴァイオリン風太田恵資さんの演奏は相変わらず表情たっぷりで楽しいです。最後は太田さんのコーラスも聴こえてきてほほえましく幕を閉じます。

10.Johnny I hardly knew yeh
ジョーン・バエズもカバーしている歌で、戦場の銃撃戦の音を被せ雰囲気を盛り上げています(かなり暗い雰囲気です)。詩の内容(手足を失って帰ってきた兵士)から、映画「ジョニーは戦場へ行った」そのものの歌のように思えます。

11.The Parting Glass
アルバムの締めくくりはアイルランドのフォークソング。静かな子守唄のような響きの中、控えめな洋子さんのアコーディオンがいっそうの物悲しさを湛え、アルバム中一番藤野由佳さんのRivendell風の曲です、というとわかりやすいでしょうか。

あらためてこうして聴いてみると、音数が少ない分、一つ一つの音に磨きがかかっていて、さすがSeigenさんと改めて思いました。いっそのことSACDとのHybridで出されてもよかったのかも。でもまだ普及度がもうひとつですものね。上野洋子さんの声なんて、SACDで聴いたらさぞ美しく聴こえるだろうなぁ、などとと想いを馳せつつ、ソロライブ等を心待ちにする秋の夜です。
2006年09月02日 | Comments(0) | Trackback(0) | 遠い音楽日記
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