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上野洋子さんライブレポート Vol.1

以下は、私が初めて上野さんのライブに言ったときのレポートです。やや長文ですが、いらっしゃらなかった方のために雰囲気をお知らせします。

2004.Nov.12(Fri.) 20-mimutes solo project Vol.1 Presented by Ayuo

出演:Hoppy神山/谷川賢作/太田恵資/鮎生(Ayuo)/上野洋子
公園通りクラシックス (03-3423-6343)
【開場】19:00 【開演】19:30
チャージ:3,000円、1ドリンク込

出演者(楽器):谷川賢作(ピアノ)、上野洋子(ヴォーカル他)、鮎生(アコースティック・ギター)、ホッピー神山(ピアノwithシンセ、カオス・パッド)、太田恵資(E.ヴァイオリン)

10分程開始時刻が遅れたライブは、舞台脇に設えられた楽屋と呼ぶには余りにも狭い「囲い」の中から5人が思い思い登場したところから始まりました。やや控えめな口調で鮎生さんが今日のライブの趣旨を説明します。
5人のミュージシャンが、持ち時間それぞれ20分のうちに即興演奏を繰り広げる、今日はそんなライブでした。客席は、折りたたみの木製の椅子が30席はあったでしょうか。出演者はそれぞれ第一人者として活躍をしているにも関わらず、思いの外聴衆は少めだったかも。やはり日本人にとっては、「即興」と聞いただけで足が遠のいてしまう何かがあるのかもしれません。とてもアバンギャルドな響きを感じますしね。ただ、観客の中に、かのムーンライダーズ率いる鈴木慶一さんの姿が。上野さんの最新作、SSS(Simply Sing Songs)で、「Seven Swan Songs」の詞を書き、「Will Ye Go, Lassie, Go?」では上野さんとデュエットするという関係でしょうか。
今日の「即興」性を徹底するため、演奏順もくじ引きで決められました。決まったのが谷川、上野、鮎生、ホッピー神山、太田の順。

冒頭、谷川さんのライブは即興的ではあるものの、父である谷川俊太郎さんその他の詩人の詩にメロディを付したオリジナル作品でヴォーカルとピアノを披露。以前上野さんが在籍するmarsh mallowと谷川さん親子とのジョイント・ライブ(船上の上はセンジョウだった、於、横浜氷川丸)のときも感じたことですが、詩の内容と相まって、とても視覚的・立体的な音楽を演奏する人です、谷川さんという方は。
因みに20分の時間はキッチン・タイマーによって正確に計測されました。谷川さんは演奏中にタイマーが鳴りだし、演奏しながら止めようとしてタイマーをピアノの中へ落としてしまうハプニングも。
そして、いよいよ上野さん登場。喉を潤すための(ビールのような色をした)飲みものの入ったコップを本人が座る舞台中央の椅子の前に置かれたエフェクターの乗っている台の下に置いています。あわせてミネラル・ウォーター入りのペットボトルも携えていましたが、最初の曲では、その水をワイングラスの半分ほど注ぎ込み楽器として使用しました。
いくつかのエフェクターの設定を行った後、指をワイングラスの中の水に浸し、濡れた指でワイングラスの縁をぐるぐるとこすり始めます。すると不思議な音が聞こえてきたではありませんか。何の音に例えればいいか、自分の耳には直感的に「オーロラの音」(というものが本当にあるのかは知らないのですが)がイメージされました。
上野さんはその音に合わせ、即興的な詠唱を披露してくれました。時にはワイングラスを傾け音程を変えながらの詠唱は、ワイングラスの奏でる音と彼女の美しい声が絡み合って一つの空間を生み出す程力に満ちた美しいものでした。
2曲目は、トラディショナル・ソング「She Moved Through The Fair」(既に著作権が消滅しているので、最後に歌詞を載せておきます)を、私も初めて存在を知ったエレクトリック・バグパイプを駆使して歌います。演奏終了後の鮎生との会話で、「お手軽ちゃん」と呼んでいた(本物のバグパイプの演奏は相当難しいそうである)が、細い音ながら「らしい」音と演奏で、歌唱中お手軽ちゃんは通奏低音としての役割を果たしていました。
3曲目、今度は楽器を使わず、というより自らの声を伴奏にした即興歌唱です。エフェクターの機能を駆使して、ディレイをかけたような余韻を持たせた声を、歌いながら記録してループ再生の状態にし、それをいくつか重ねることによって伴奏を作り上げていました。この手法は後の太田さんのライブでも十分威力を発したものです。前二曲が比較的滔々と流れる曲であったのに比べ、この曲はよりパーカッシブでリズム感を強調した楽曲に仕上がっていました。まさに「言葉のない歌」という曲名がふさわしい演奏です。
そして次が最後の曲(本当は5曲準備していたようですが時間切れとなってしまいました。残念!)。木枠が薄手の小太鼓の裏側に取っ手のついたような形の太鼓といえばいいでしょうか、「バゥロン(Bodhran)」なるアイルランド独特の片面太鼓を左手に持っての再び1曲目に戻ったような詠唱タイプの曲でした。バチが見あたらなくなるというハプニングで20分の持ち時間をさらにロスしてしまいましたが、意外にもワイルドな印象を与える歌い方で時間一杯歌いきってくれました。この最後の歌を聞いたとき、イギリスのフォーク系歌姫Sally Oldfield(Tublar Bellsが有名なかのMike Oldfieldの実姉。Sallyangieという姉弟デュオのフォーク・グループでもアルバムを1枚出しています)が脳裏に浮かびました。トラッド歌手は比較的似通った歌唱法を採ることがあるのかもしれませんが、それを上野さんも受け継いでいるように思われました。
キッチン・タイマーの音を受けて演奏は終了し、上野洋子さんの出番は終了。鮎生さんとの短いMCを挟んで、次は鮎生さん自身の演奏です。
モーリスのフォーク・ギターをアンプにつなぎ、時にはディストーションをかけたような歪んだ音で、オリジナル、トラッドそしてPink FloydのSyd Barretによる名曲「Astronomy Domine」(アルバムThe Piper At The Gates Of Dawnより)を演奏してくれました。
ここで20分程の休憩を挟み、ホッピー神山の登場。普段プログレ・バンドで演奏しているという神山さん、Moogの音響合成装置を取り付けたグランド・ピアノに向かってのエネルギッシュなヴォーカルから、壁に映し出されたグロテスクなクレイ・アート映像にさらにKORGのCHAOS PADなる電子機器を駆使して、映像にエフェクトをかけながらエキセントリックな演奏を20分間途切れることなく繰り広げました。
そして最後に太田さんのエレクトリック・ヴァイオリンです。太田さんは上野洋子さんzabadak時代の名曲「私は羊」のヴァイオリンや『noren wake』コンサートでの客演等、上野洋子さんとはレコーディングやライブで何度も共演していますし、最新作SSSでも素晴らしいヴァイオリンを聞かせてくれています。つい一週間前には、川崎クラブチッタで行われた現zabadakの20周年記念コンサートで、同じヴァイオリンの斉藤ネコさんと共にエネルギッシュにヴァイオリンを弾きまくっていました。
太田さんも、先に述べたループを多用し、その伴奏に合わせて弾くのはエレキ・ギターかと思えるようなロング・トーンでの速弾き、これが息をのむ程速いです。様々な音楽の要素を盛り込んだ太田さんの音楽性を感じさせる多彩な演奏を繰り広げ、途中ではヴォーカルやホーメー(モンゴルの伝統的な歌唱法で、一度に二つの音を出す人間業を超えた歌唱法、ヒカシューの巻上公一氏が有名)を織り交ぜ、聴衆を飽きさせない縦横無尽ぶりを発揮して今日のライブを締めくくりました。
全体を通じて、大ホールで大音響を響かせるコンサートとはひと味もふた味も異なる、とても身近な人間味を感じるライブで素晴らしかったです。入場料がドリンク込みで3000円というのも、余りにもサービス精神が豊か安すぎる、と思えました。

She Moved Through the Fair
Traditional (P.D.)

My young love said to me, "My mother won't mind
And my father won't slight you for your lack of kind"
And she stepped away from me and this she did say:
It will not be long, love, till our wedding day"

As she stepped away from me and she moved through the fair
And fondly I watched her move here and move there
And then she turned homeward with one star awake
Like the swan in the evening moves over the lake

The people were saying, no two e'er were wed
But one had a sorrow that never was said
And I smiled as she passed with her goods and her gear,
And that was the last that I saw of my dear.

Last night she came to me, my dead love came in
So softly she came that her feet made no din
As she laid her hand on me and this she did say
" It will not be long, love, 'til our wedding day"
2005年08月31日 | Comments(0) | Trackback(0) | 遠い音楽日記
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